心理カウンセリングの場はクライアントにとって、(ほとんどの場合)話すための場所です。
友人や知人、家族でもなく、カウンセラーという第三者に話すことの意味について、本コラムでは考えていきたいと思います。
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話すことの機能
①反応がある
誰かに話すと言うことは、何かの反応が返ってくるという期待が在ることを意味しています。
話すことと、その話したことに対する反応はセットです。普通、誰かに人に話す時は、反応が返ってくることを前提としています。
わざわざ壁に向かって話す人は(あまり)いませんし、壁のように反応がなくても良いなら、カウンセラーという仕事も必要がなくなってしまいます。
②気持ちの確認
自分が話し、考えていることが間違っていることではないと確認しに来るような場面もカウンセリングでは多く見られます。
気持ちの「整理」と言い換えても良いかもしれませんね。
身の回りで大変なことが起こった時には、感情や気持ちや思考が、もつれた糸のようにこんがらがってしまうことがあります。
話すことには、糸のもつれをほどくような効果もあるのではないかと思っています。
③気持ちの発散
話すことはストレス発散にもなります。
カウンセリング場面では、基本的には守られた場所で何でも話すことが出来ます。
普段友達や家族には言えないことを話すことが出来るため、発散の機能を持つことが出来ます。
第三者だからこそ話せることもあります。
カウンセリングに訪れる人の中には、この気持ちの発散をメインとしてくる人も少なくありません。
④新たな気づきを得る
話してみて初めて自分の気持ちに気づく事もあります。
何かを話した後の相手の反応は、当然ですが期待通りの反応とは限りません。
期待と違ったときに、それを受け入れる心の準備が出来てさえいれば、新たな気づきとして吸収することが出来るのだと思います。
例えば、クライアントが「賛同されるであろう」と期待して話していても、カウンセラーとしては賛同しかねる内容であることも多くあります。
カウンセリングは、100%クライアントの期待通りの反応を示してあげるための場でもないので、そのような場面に直面したクライアントはちょっとした衝撃を受けると思われます。
しかし、その衝撃の中には未知の何か、新たな発見という宝物が潜んでいることもあるので、カウンセリングならではの「意味」がこの期待外れの反応には潜んでいると思うのです。
カウンセリングが必要となるのは・・・
上述の話すことの諸機能が上手く働いていない場合に、カウンセリングを受けるという選択肢が浮かんでくると思います。
☑家族や友人、職場などにおいて、話し相手がいない
☑話し相手がいたとしても、話すことの機能が上手く働かない
カウンセラーとしては、これらの話すことの機能が上手く働くことを意識して聞きます。
次第に第三者ではなくなってくる
自分のことについて、今起こっている問題について、悩みについて、
話せば話すほど、その人にとってはカウンセラーは第三者ではなくなってきます。
しかし、カウンセラーはクライアントの実生活の中には関与してきません。
あくまでも、カウンセリングルームという守られた部屋の中から出てこない存在です。
いうなれば、「第三者」から「何もしない当事者」に変化していくものと思われます。
何もしない当事者は、何もしないという点において、具体的な解決はもたらしてくれませんが、その代わり、一部始終を見守ってくれています。
自分に起こっていることを見守っている人がいるかどうかは、暗く寂しい人生の一時期を歩く時には重要です。
出来るだけ何もしない人が時に必要

人生においては、自分にとって有益な人だけがいれば良いというものではないと、個人的には思っています。
出来れば穏便に、平和に人生を送っていきたいものですが、そのためには、何もしない存在も必要不可欠です。
私たちは、身の回りのたくさんの何もしないものに助けられて生きています。
大げさかもしれませんが、例えば、カウンセリングをしている時の机の存在でさえ、あるのと無いのとでは「守られ感」が違います。
また、机の上に小さな植物が置いてあったとしたら、それがあるのとないのとでは、随分相手の印象や心持ちも違ってくるのではないでしょうか。。。
何もしない存在の最たる例は「神様」「仏様」だと思います。
私自身は無宗教で、特定の神仏を信仰しているわけではありませんが、
誰もが心の中で一度は神様や仏様にお願い事の一つや二つはしたことがあると思います。
しかし、神様は何もしません。
ですが、人間は案外そういった存在に助けられています。
何かしてくれるなら、それはもう神様ではないのではないかと思います。
カウンセラーは神様ではありません。カウンセラーは何もしない当事者です。
カウンセラーの良いところは、神様とは違って、ちゃんと話しかけたら反応してくれるところです(笑)
たまにアドバイスもしてくれます。
また、カウンセラーは、決まった時間にしか会えなくて、きっちりお金もとっていきます(笑)
ですが、表題のように、そこに意味があるとするなら、
カウンセラーとは、支払った代償分の何かは返してくれる者だと思っています。
人によって、カウンセラーに話すことの意味や価値は異なると思いますが、
あまり意味など深く考えず、気軽にカウンセリングを受けるという選択肢が多くの人に思いつくようになれば良いなあと思っています。
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