心理検査で何を見るのか?

心理検査の種類

心理カウンセラーが実施する心理テストには様々な種類のものがあります。

知能検査(WAISやWISCなど)

発達検査(新版K式など)

性格検査(TEG、バウムテスト、ロールシャッハテスト、内田クレペリン精神作業検査、SCTなど)

WAISやWISCは発達障害の鑑別をするためにしばしば用いられることがありますが、発達検査ではありません。その結果はIQとして算出され、人間の能力の得意・不得意を推察するための一資料に過ぎませんが、検査時の様子も含めて考察し、発達障害の傾向の高い・低いを推察するために使われることもあります。

性格検査は読んで字の如く性格を分析することに用いられますが、単に性格だけではなく、その人の心の状態を理解するためにも用いられます。

性格検査はさらに検査方法によって3つの種類に分けることが出来ます。

質問紙法(「はい」、「いいえ」、「どちらでもない」など選択肢から選ぶ)

作業検査法(一定の作業を行い、その作業内容を分析することによって、性格傾向などを把握する)

投影法(木や風景の絵を描く、模様から連想される思考を表現するなど、高い自由度の中からクライアントが示す反応を分析し、性格傾向心の状態などを把握する)

人間の性格は、様々なところに何かしらのしるしとしてあらわれるものです。

表情、歩き方、喋り方、視線など体のしるしとしてあらわれるのはもちろんのこと、

文字の書き方と内容、絵の描き方と内容・・・

また、すでにかかれている絵や文章を「どのように捉えるのか?」といった捉え方にも性格心の状態による違いはあらわれます。

こういったしるしの現れ方を、心理学者や心理臨床家が長年かけて積み重ねて研究、分析をして、一定の知見が得られています。

そういった知見を参考にしながら、実際の目の前のクライアントの唯一無二の性格傾向を分析する。それが性格検査です。当然のことながら、似た性格はあっても、同じ性格というのはありません。投影法などの解釈の幅が広い検査を行う理由は、人の性格が十人十色であるためでもあります。

心理検査を実施する主な目的

①見えないものを見えるようにする

②自分自身や身近な他者に対する説明書を作成する

すぐに思いつくのはこの2つです。

心理検査に限らず検査を行う目的の多くは

見えないものを見えるようにする」ためです。

自分の得意・不得意や性格傾向、内面的に抱えている問題をなるべく見えるようにします。

見えるようにすることのメリットは、自他共に説明がしやすくなることです。

また、今までなんとなく感じていた周囲の人とは異なる感覚をある程度説明することが出来るようになると安心するという人もいます。

なぜこんなに生きづらかったのか?

ということを納得出来るようになるための一つの方法としても用いられます。

しかし勘違いしてはいけないのは、

当然のことながら心理検査は人1人を説明するための万能ツールではないということです。

ある程度説明することが出来るようになると言っても、その人の全てを説明できるようになるわけではありません。

心理検査の結果を鵜呑みにし過ぎず、

検査の結果実感とを照らし合わせて総合的に判断する必要があります。

心理検査の実際

心理学を学ぶと様々な種類の心理検査が存在することに驚きますが、私個人はその数多くの心理検査の内のほんの数種類にしか触れたことがありません。

その中でも比較的頻繁に実施する心理検査というものが存在します。

各心理士が勤める領域(医療・教育・福祉等)によって行う心理検査は変わりますが、

私自身が頻繁に実施しているものは

●WAIS、WISC(言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度などの基礎能力の水準を調べる検査。結果は「IQ」によって示される。)

●MSPA(発達障害に関係する各特性が日常生活上どの程度現れているのかを調べる検査)

●バウムテスト(木の絵を描いてもらう検査)、SCT(文章構成法)などの投影法検査

●CESーD(うつ病のスクリーニングテスト)

この辺りの検査になります。

小学生や中学生、高校生など子どもの発達障害による不適応の問題や、近年では大人の発達障害の困り事も非常に多くなっています。

発達障害を抱える人自体は今も昔もいたことと思われますが、近年は特に発達障害による支障が目立ちやすい世の中になってきています

そのため、自然とWAISやWISC、MSPA等の検査を用いて発達障害の傾向を推し量る機会も増えてきているのでしょう。

CES-Dは20問の問いを読んで答える比較的簡易な検査で、時間的にも素早く実施することが出来ることからやはり触れる機会が多くなっています。

バウムテストなどの投影法検査は検査者の熟練度が特に求められる検査ですが、まさに心理士にしか出来ない心理士ならではの検査です。曖昧な文章や木の絵、インクの染みから何を見いだすか等、人が何を見て、なぜそのように見るのかを推測することは心理検査に限らず心理士に備わっているべき能力です。

心理検査は一般的にはまだまだ馴染みがなく、そもそもその存在を知らない人も多いと思われます。心理検査を受けること自体に敷居の高さを感じる人もいるかもしれませんが、検査を受けることによって得られる情報はそれだけの価値があります。

悩んでいる人は検査だけでも、お近くのカウンセリング施設や心療内科・精神科クリニックなどに受けに行くことをおすすめします。

当事業所で実施可能な心理検査

ご不便をおかけしますが、心理検査用具が充実していないため実施可能な心理検査は多くありません。

●バウムテスト

●TEG

●WAIS-Ⅲ

この3つのみが実施可能です。

予約の状況によっては最短で1~2週間ほどで検査の結果をフィードバックすることが出来ますので、ご希望の方は是非一度ご相談下さい。

カウンセリングを受けてみたい方へ

カウンセリングだけでなく、心理検査の実施をご希望の方も一度ご相談下さい。

カウンセリングオフィスともしびで実施可能な心理検査は多くはありませんが、ご希望の検査をどの施設で受ければ良いのか等の相談にもお応えいたします。

ご予約こちらから、または直接お電話(090-6079-0783)からお願いします。

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