人格(パーソナリティ)障害とは
性格の著しい偏りのために本人あるいは社会が悩むものを人格障害(性格異常あるいは精神病質)と呼ぶ。従来は生来性のものであると言われてきたが、現在ではより環境因が重視されるようになってきた。
川瀬正裕(著)、松本真理子(著)、松本秀夫(著) 『心とかかわる臨床心理 基礎・実際・方法 第2版』 ナカニシヤ出版、2006年
上述のように、性格の偏りは単に生来性のものではなく、環境因も関わって生じるものであります。
環境とは社会的な環境や周囲の人、養育環境など様々な要因が含まれています。
性格の「著しい偏り」とは、その人が所属する社会から著しく離れた認知や行動の様式が見られる事を意味しています。
簡単な言葉に言い換えてしまえば、ある社会の中でとても目立った考え方や行動をする人、ということになります。
その著しい偏りがあるために、本人あるいは周囲の人々が悩まされる事態に陥って初めて人格障害であると言えます。
また、ここでは詳述しませんが、人格障害と一言で言っても、様々な下位分類が存在します。
注意サイン
- 周囲の人と比べて認知(考え方、物事の捉え方)や感じ方、行動の様式が目立って異なっていると感じる。あるいは、他者から目立っていることをよく指摘される。
- しばしば感情的に不安定になり、その場にふさわしくない程の感情表出をしてしまうことがある。
- 対人関係が上手くいかないと感じる。
- 社会から浮いている感じがする。また、その感じがかなり長期間続いているように感じる。
原因
所属する社会と比較した場合の性格の著しい偏りが、社会的な文脈の中で不適応を起こし、本人あるいは周囲の人が悩むときに人格障害であると言えます。
その偏りの原因は一概には言えませんが、環境因が大きいと思われます。
効果的な治療法
治療の中心は心理療法になります。
人格障害と診断されている人の中には、良好な対人関係を築くことが困難であると感じている人が少なくありません。
心理療法としても、まずはカウンセラーという他者との関係性の構築をいかに共同作業で作り上げていくかがポイントになってくると考えられます。
そのため、カウンセラーとの関係性も含めて、他者との関わりの中で生じてきた様々な思考や感情、行動の意味を考え、深めていく過程を大事にしていきます。
原因が単に生まれつきのものではなく、育ってきた環境にもあると考えられることから、現在の自分が作られてきた歴史を振り返る機会も時に治療の中では現れるかもしれません。
人格とは目に見えないものですし、長い間かけて形成される様式の総称ですから、簡単に変えたり、治したりするものではないと、当事業所では考えております。
所属する社会の中でなぜそれが受け入れられなかったり、浮いてしまったりするのかを考えることがまずは出発点です。その上で、それを単に修正するだけでなく、より社会の中で活かしていくにはどうすればいいのかを考えることも、カウンセリングの中では重要視します。
このページを見て、少しでも治療に興味を持った方は、一度お気軽にお問い合わせ・ご予約下さい。
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