コミュニケーション能力とは何か?

コミュニケーション能力は訓練によって改善できるものなのかどうかを考える前に、
まずはコミュニケーション能力とは何か?を考えていきたいと思います。
いわゆるコミュニケーション能力をもう少し複数の要素に分解すると、
以下のようなものになると考えられます。
●相互性があるかどうか
●説明がある程度簡潔で分かりやすいかどうか
●相手の話を理解することが出来ているかどうか
●冗談や文脈の理解をすることが出来ているかどうか
●生活の支障が無い程度の語彙力が備わっているかどうか
●自発的な報告・連絡・相談が必要最低限出来ているかどうか
これらの内、一つくらい苦手なところがあっても、コミュニケーションは十分に成り立ちます。
しかし、これらの要素のほとんどが苦手である場合、人とのコミュニケーションをすすめる上で何らかの苦労を感じることが多いと思われます。
もう少し、これらの要素について掘り下げていきましょう。
コミュニケーションの相互性
よく「会話のキャッチボール」なんてことが言われますが、相互性とはまさにこのキャッチボールのことです。
キャッチボールにおいては、相手がとれるような球を投げ、多少相手のコントロールが乱れてもキャッチしにいく努力が必要です。
また、キャッチボールにおいてはリズムも重要です。投げて、受けて、投げて、受けて・・・。
リズムが悪いとキャッチボールにはなりません。投げる度に、投げ方についてじっと考え込んだりしてしまうと、相手から「早く投げてよ」と言われるでしょう。
会話のキャッチボールも似たようなものです。そこにはある種のリズムが必要です。
相互性があることによって、お互いに会話をする上で安心感が得られます。
相互的であるかどうかは、コミュニケーションにおいて最も重要な要素であると思われます。
分かりやすい説明をする力
会話をする相手にとって分かりやすい説明をするためには、
語彙力や相手の立場に立って考える能力なども必要となります。
また、文脈や相手の質問の意図を理解した上で、要点をまとめる能力が求められます。
分かりやすい説明が苦手な人は、要点をまとめることが苦手で、話が回りくどくなりやすいと思われます。
相手の話を理解する力
コミュニケーション能力を構成する要素の中でも、これが最も重要で、最も難しい(高度な)力でしょう。
相手の話を理解するためには、相手の話をよく聞かなければなりません。相互的なやりとりを交わしながら、相手の話を整理する必要があります。口頭でのやりとりの中で、要点となる部分を記憶しておくワーキングメモリも必要です。
同時に、相手の話を聞いていて分からなかった部分を補足するために、質問を挟んだりする必要もあります。
以上のことだけでも、相手の話を理解するためには、様々な能力が求められることが分かります。
語彙力
語彙や表現の幅が豊富であることも、コミュニケーション能力の一端を担っています。
語彙力があれば、会話相手が言葉に詰まっていても、適切なフォローをしやすくなりますし、
自分の中にある気持ちや考えをより適切に表現することが出来るようになり、誤解が生じにくくなります。
もちろん、語彙力があるだけではコミュニケーション能力が高いとは言えません。
前述したように、キャッチボールが正確に出来なければ、語彙力だけがあっても、単なる知識の押しつけ、いわばドッジボールのようなコミュニケーションになってしまいます。
自発性
いわゆる「報告・連絡・相談」などを、自分から発信する能力です。
何か伝えたいことがあっても、自分から相手に話しかけることにためらいがあると、自発性が低いと言えます。
コミュニケーションを交わすことに自信がなかったり、話しかけて良いタイミングが分からなかったりすると、より自発的なコミュニケーションも減っていく傾向が見られるでしょう。
コミュニケーションにおいて自発性もとても大事な要素です。
自発的であるということは、端的に言って、相手に興味を持っていて、コミュニケーションをしたいという気持ちを伝えることです。
良いコミュニケーションのきっかけを作るためにも、この自発性という要素は重要になってきます。
コミュニケーション能力は訓練によって改善するのか?
以上に述べた、コミュニケーション能力に関係する各要素をそれぞれまんべんなく発揮することが出来る人が、いわゆるコミュニケーション能力が高い人であると言ってもいいと思います。
ここからは、本コラムのタイトルにあるように、
訓練によって、こららのコミュニケーション能力に関する各要素を鍛えることが出来るのかどうか?
を考えていきたいと思います。
・・・・・・
結論から言えば「改善は(ある程度)可能」であると思います。
「改善が可能」ということは、言い換えれば、「学習によって得られる能力である」ということです。
ただし、「ある程度は」とも言っておきたいと思います。
(*学習だけでは補うことが難しい能力もあるからです)
例えば、語彙力や表現力は、「本を読む」、「様々な人と会話を交わす」、「動画などで色々な言い回しを聞く」などの経験によって、ある程度身についてきます。
また、説明する能力や相互性なども、会話の度に「どの辺りが分かりにくかったのか?」、「相手が困ってしまったのはなぜか?」など、コミュニケーションが円滑に進まなかった部分を絞り出して、具体的な改善方法をフィードバックされることによって、少しずつ改善していくものです。
適切な会話相手(嫌味を言わず、適切なフィードバックをしてくれる親切な人)さえいれば、コミュニケーションは少しずつ改善します。
また、いわゆるコミュニケーション能力が高い人の話し方などを観察し、表現や間の取り方などを真似ることによって改善される部分もあると思われます。
また、コミュニケーション能力改善のためには、良い表現方法を取り入れるだけでなく、
会話の中で実際に使ってみることが絶対に大事です。
実際に使ってみなければ、それが本当に良いコミュニケーションの道具なのかどうかが分かりません。実際に使ってみなければ、相手の反応を読み取ることが出来ません。
まとめると、
「自分の弱点を分析する→弱点を補うために必要なものを取り入れる→実際に会話の中で使ってみる→効果を検証する→さらに残っている弱点・課題を分析する・・・」
といったサイクルによって、少しずつコミュニケーション能力は改善していくと思います。

私個人の心理カウンセリングの中でも、コミュニケーションが苦手であるという主訴を持っている人に対して、少しでも改善された部分をフィードバックするようにこころがけています。
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