カウンセリングで何をするか?
「心理カウンセリングって何をするの?」と、カウンセリングを受けた経験のない方に初めて説明するとしたら、
①〈人それぞれ抱えているお悩みを解決する手段で、それを提供するサービスです〉
②〈クライアント(相談者、お客様)のお悩み、お話を聞かせて頂きます〉
と答えます。
①は、多かれ少なかれ、サービス業であれば当然の答えと言えるでしょう。全てのサービス業が、お客様の何かしらの悩みを解決するためにあります。お客様のニーズに応えるためにあるものです。
カウンセリングサービスもその例に漏れません。
②に関しては、心理カウンセリングの内容に深く迫るものであり、サービスの根幹と言えます。
多くの場合、クライアントは自分の悩みについて話しに来ます。
それを聞くことにおいてのプロフェッショナルが公認心理師または臨床心理士の資格を持つ心理カウンセラーです。
「聞くこと」の専門性
聞くことが主な仕事であるということにおいて、心理カウンセラーは結構特殊な仕事であると言えます。
心理カウンセラーをしていない人からすると、「聞くだけ?」「簡単に聞こえるけど」と思うかもしれません。
が、そう簡単な事ではありません。
覚悟をもって相談に来られた人の話を聞くことには、カウンセラー側にも相応の技術、覚悟と知識、器、準備、それから熱意、様々な要素が求められます。
精神疾患や人の心に関するたぐいまれなる探究心と知識がなければ専門家とは言えません。
自分がそのクライアントに応じることが出来るかどうか、見極めることが出来なければ専門家とは言えません(カウンセラーとして応じることが出来ない場合は、他の専門家を紹介することがあります)。
そして当然、悩んでいる人のお役に立ちたいと強い気持ちを持っていなければ、専門家としてカウンセリングの仕事を続けていくことは出来ません。
「死にたい」と話される人も少なくありません。そのような場合は特に、カウンセラーもどのように聞くのか、どのように応えるのか、慎重にならなければなりません。
もちろんそれだけではなく、1回1回のカウンセリングが、すべて慎重なのです。いわゆる普通の会話、雑談とは違うものがあります。もちろん、一見ただの雑談・コミュニケーションのように見えるやり取りであっても、そこにはカウンセラーとしての何らかの意図が存在します。
以上述べてきたような全ての意味を含めて、聞くということは単純ではありません。
心理カウンセラーとしては、3つの「きく」を使うことが出来なければなりません。
分かりやすくするためにあえて英語で表記すると、、、
①hear
②listen
③question
となるでしょう。
①のhearは、なんとなく聞くという姿勢です。無意識的に、あるいは全体的に聞くということです。一つの側面だけでなく、クライアントの話している内容の背景に至るまで全体的にぼんやりと聞くことも必要です。
②のlistenは、いわゆる傾聴です。耳を傾けて集中して聴くということです。聞き逃さず、見逃さず、集中して聴く姿勢が求められる場面も当然あります。
③のquestionは、質問の意味です。要するに、カウンセラーからクライアントへのクエスチョン、質問を投げかける意味での「きく」です。何をきいて、何をきかないのか、そういったことも慎重に考えながら話をきいています。
・・・これら3つは基本的な技術です。
この基本的なきく技術を駆使して、クライアントの悩みを解決するためのサービスがカウンセリングであると考えてもらえば、そう大きく間違っていることもないと思われます。
カウンセリングの定義
カウンセリングの定義は様々ですが、
東山(1982)は心理療法について、端的に以下のように述べています。
心理療法は、セラピストとクライエントの対他的コミュニケーション、及び、それによって促進されるクライエント内部の対自的コミュニケーションを通じて行われる内的世界の再統合過程である。
東山紘久 『遊戯療法の世界 子どもの内的世界を読む』 創元社、1982年
対自的コミュニケーションとは、要するに「自問自答」のことであると捉えます。
自問自答という言葉には、暗黙裏に、単に自分とは1人ではなく、いわば「内なる自分」「もう一人の自分」の存在があることがほのめかされています。
「内なる自分」とのコミュニケーション、つまり自問自答が、
言語によって行われるのか、はたまた絵を描くことなのか、音楽を奏でることなのか、遊ぶことなのか、、、人によって様々な自問自答の表現方法があると思われます。
当事業所では
「人(カウンセラー)と人(利用者様)が限られた時と場所で出会い、その限定された空間の中で起こること(対他的コミュニケーション)を大事にすることによって、利用者様の自問自答を見守り、励まし、時には一緒に考え、悩むことによって、利用者様の悩みや問題の解決の一助となるように最善を尽くすこと」
をカウンセリングの内容として掲げます。
「最善を尽くす」というと、まるでカウンセラーが何でもかんでも代わりにしてあげる、というような誤解が生じるかもしれませんが、そうではありません。
カウンセラーはあくまでも、個々の成長や変化の後押しをする媒介であります。
通常、カウンセラーは悩みをなくすことだけを考えず、「悩みといかにして付き合っていくか」といったことを重視します。
カウンセリングは手段です
カウンセリングは何かの目的を達成するための一つの手段に過ぎません。
そして、その目的は十人十色、千差万別です。
相談者1人1人に合わせて、カウンセリングの内容は大きく変わっていきますが、それが何らかの目的を達成するための手段であることに変わりはありません。
今、何かにお悩みの方で、他のあらゆる手段を尽くしたけれども一向に解決の兆しがないという方は、是非心理カウンセリングという手段を考慮してみて下さい。
*こちらの記事(「治るとは何か?」)でもカウンセリングで何をするのかについて書いています。参考にして下さい。
↓こちらの動画でも、カウンセリングとは何か?というテーマで解説をしています。
カウンセリングの目的
上述したように、カウンセリングの目的は千差万別、十人十色、人の数だけ存在します。
しかし、その目的をある程度ジャンル別に分類する事は可能です。例えば、、、
- 復職、再就職のため
- 症状を緩和するため
- 人間関係の悩み改善のため
- ストレス発散のため
- 身近な人に話せないことを話すため
など様々です。
ほとんどの人は、これらの内のどれかに属した悩みを抱えていると思われます。
カウンセラー側としては、これらの悩みを抱えた人に対して、お役に立てることがあれば、カウンセラーとして出来る最善の努力をさせて頂きます。
目的は必要か?
カウンセリングを受ける場合には、上述のような目的を持って来られる方がほとんどです。
しかし、これはあくまで、カウンセラー側が分かりやすく分類しただけに過ぎません。
カウンセリングを希望する人にとって、必ずしも目的を意識している必要はありません。
「目的と言われても分からない」
「ニーズなんてない」
「ただ悩んでいるんだ」
「ただ怖い」
「ただ不安」
「なんとなく興味を持った」・・・
目的がなくても普通だと思っています。
最初のきっかけは「ただ聞いて欲しい」で十分です。心理カウンセラーは聞くことの専門家ですから。
カウンセラーとしては、
目的があっても、なくても、偶然でも、
1回1回、1人1人との出会いを大切にして、そこから何かを学んでいくことが重要だと思っております。
第三者だからこそ聞くことの出来ることがあります。まずは話に来てみて欲しいと思います。
以下の動画でも、どのような人が特にカウンセリングを受けるべきなのか、その指標について話しています。参考にして下さい↓
カウンセリングの技法
代表カウンセラーの経験から、
主に「双極性障害」や「発達障害(子ども~大人まで)」でお悩みの方へのカウンセリングを行っております。
また、これらに当てはまらない方でもご相談可能です。
例えば、「人間関係における心の悩み」、「傷つきに関する」ご相談や、「お仕事のお悩み」を抱える人へのご相談を行っております。
主に用いる技法としては以下のものが挙げられます。
・「来談者中心療法」
・「認知行動療法」
・「双極性障害の心理教育」
・「子どもとのプレイセラピー」
・「復職・再就職支援(ご希望があれば、会社との橋渡し的な支援も行います)」
・「家族支援(ご希望があれば、ご家族の方へのアドバイスなども行います)」
・「家族療法(本人様のみならず、ご家族の方も同席でのカウンセリングを設定することも可能です)」などが挙げられます。
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