【考察】適職について

コラム

このコラムにおいては

特に、双極性障害や発達障害等の「治すのではなく、付き合っていく必要がある疾患」を持っている人の適職について考察していきます。

適職とは何か?

双極性障害や発達障害の人にとっての適職とは、

あくまでも症状が悪化せずに、あるいは症状が目立たずに、安定して続ける事が出来る仕事のことを指します。

双極性障害や発達障害は、基本的に治るものではありません。

したがって、それらの疾患を正しく理解し、付き合っていく必要があります。

適職に就くことは、疾患と付き合っていくために必要な条件の一つです。

適職に就くことによって、症状は安定し、心に余裕ができ、人並みかそれ以上のパフォーマンスを発揮してより前向きな人生を送ることが可能になることでしょう。

特に、発達障害のグレーゾーンと呼ばれる人たちは、自分にとって合わない環境に置かれると、発達特性が悪目立ちすることが多いです。

その結果、最悪の場合は職場を不本意な形で辞めることにもつながってしまいます。

適職と天職は違う

もちろん、適職と天職は異なる概念であり、これらを混同しないことは重要です。

適職は前述の通り、疾患を抱える人であっても安定して続ける事が出来る仕事です。

それに対して天職は、必ずしも安定して続ける事が出来るとは限らないが、世間的な大成功を収める可能性を秘めた仕事と言えるでしょう。

偉大な小説家や芸術家の中には、破天荒で壮絶な人生を送りながら、現代に生きる人々にまで多大な影響を与える作品を残した人がたくさんいます。

彼らにとってその人生が幸せであったかどうかは、私たちには判断できません。

しかし、「彼ら(偉大な小説家や芸術家)にはそのようにしか生きることが出来なかった」のだろうと思います。

天職とは、最初から目指すものではなく、やむにやまれず、そのようにしか出来ないこと、だと思います。

もし、双極性障害や発達障害の人が自ら茨の道を歩むことを決断するのなら、

カウンセラーとしては最大限その決断を尊重しつつも、そのリスクについては十分に話していきたいと考えています。

双極性障害の人の適職

双極性障害の人にとっての適職は、

躁転の刺激となり得る刺激が少ない仕事」だと考えます。

しばしば双極性障害の人は、躁の状態を意図的に引き起こし、躁の状態を利用して働こうとします。

しかし、それは長期的にはリスクのある行動です。

生活のために、長く、安定して仕事を続けるためには、一時的に力を発揮するだけではいけません。

なるべく躁状態とうつ状態の波を抑え、躁状態であってもうつ状態であっても最低限の仕事が出来るような仕事が望ましいと思われます。

したがって、双極性障害の人にとってNGな仕事

✕ 人との濃い接触がある仕事
✕ お酒を飲む仕事
✕ 勤務時間が不規則な仕事
✕ 自分の好きな物(例えばブランド物など)に囲まれる仕事

などが挙げられます。

適職は、これらNGな仕事を差し引いた時に残った仕事であると考えます。

もちろん、これはあくまで一例であり、人それぞれの特性に合わせて適職を考えていく必要があるため、より詳細に周囲の関係者と相談するのが望ましいです。

↓こちらの動画でも、双極性障害の適職について考察しています

発達障害の人の適職

発達障害はここでは、

ASDとADHDに大きく分けて考えていきます。

ASDの人の適職

発達障害の適職を考える上で重要な観点は、双極性障害の時とは違って、

いかに発達特性を活かした仕事を見つけるか、だと思っています。

例えば、

「対人関係、コミュニケーションは苦手であるが、ある一つの分野に対するこだわりが強い」

という特徴を持っているASDの人であれば、そのこだわりを活かした専門分野に就くと安定することが考えられます。

パソコンに興味を持っていればプログラマー、数字や計算能力に特化していれば経理の仕事、視覚的な把握能力が突出していればデザイン関係の仕事・・・といったように、

自分の得意・好きを活かした仕事を見つけることを優先に考えると良いでしょう。

よく「自分の好きなことを仕事にしない方が良い」という意見を聞くことがありますが、ASDの人の場合は必ずしもそうとは限りません。

ADHDの人の適職

ADHDの人は、

発想力や行動力に優れている人が少なくありません。

そのため、企画系の仕事や、クリエイティブな要素が求められる仕事に就くと活躍の幅が広がります。

また、時間の管理が苦手で、「今」の気持ちを最優先に考える傾向が強い人も一定数います。そういったタイプの人は、現在(2021年11月の段階)流行っているウーバーイーツなどの配送サービスも向いているかもしれません。ウーバーイーツであれば、自分の働きたいと思った好きなタイミングで働くことが出来ますし、移動し続けるために飽きることもありません。

もちろん、それだけをメインの仕事にして生活することは難しいのかもしれませんが、自分の向き・不向きが分からずに立ち止まっている状態であれば、そういった仕事にチャレンジしてみるのも悪くないと思います。

また、ADHDの人には不注意が目立つ人もいます。

この場合は、自分のペースでコツコツと取り組むことが出来るような仕事がベストであると思います。

色々な種類の作業を両立して取り組まなければならない、いわゆるマルチタスクの多い仕事に就くと、ミスが目立ち、自己肯定感も低下して、仕事が億劫になって続かないという事態に陥りかねません。

適職が見つかっても、職場環境が合わない場合・・・

適職が見つかっても、職場の人間関係が自分に合わず、

せっかくの仕事に集中出来ない場合もあります。

そこで辞めてしまうことももちろん選択の一つではありますが、

そういった時にこそ、心理カウンセリングを受けることを考えてみて下さい。

カウンセリングでは、双極性障害や発達障害といった特徴を持っている方が、目の前のハードルを乗り越えていくための支援をすることが出来ます。

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引用・参考文献

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