双極性障害治療の第一歩 ライフチャート

コラム

双極性障害について広く知りたい方はこちらを先にお読みください。

ライフチャートを作成する

双極性障害でお悩みの人がカウンセリングに来たときに、まず最初にライフチャートを作成します。
これは、今までの人生を細かく振り返って、印象的な出来事をピックアップしていき、その時その時の気分が「躁的」だったのか、それとも「うつ的」だったのかを、主観的な数値に落とし込んでいくものです。
最終的に、その数値をつなぎ合わせていくと、波を打ったような横軸のグラフが完成します。
これを見て、躁エピソードやうつエピソードを把握し、また、どのような出来事がきっかけで躁エピソードが発生したのかなど、自分を客観的に見つめる機会にも活かすことが出来ます。

ライフチャートの例

例えば、以下のような人を想像してみて下さい。

現在37歳の男性の例(架空事例)

20歳:恋人と別れたことがきっかけで大学生の時にうつ状態に陥り、不登校気味になる
25歳:会社で上手くいかないことが続き、再びうつ状態になる。この時、初めて精神科・心療内科に行き、抗うつ薬を処方される。
 抗うつ薬服薬後、躁転。買物をしすぎてお金がなくなり、度々親や友人にお金をせびる。お金がないのに旅行に行って帰って来る事が出来なくなったこともある。また、周囲の人に対して普段は見られないような攻撃的な態度も見られる。
26歳:抗うつ薬がなくなり、代わりに気分安定薬が処方され、安定する。
35歳:ここまで、比較的安定して過ごすことが出来ている。
36歳:結婚。この頃から、ややフワフワして落ち着かない気分が感じられる。周囲の人は「少しテンションが高い」と思うくらいのわずかな変化であったが、しばらくしてこの男性が、高額の買物のために借金をしていたことが判明し、妻や友人達を驚かせた。
 このことを非難した妻と喧嘩をする頻度が増え、生活上の支障をきたし始めたことをきっかけに、治療の方針を再び立て直すことに。心理カウンセリングも並行して行うことになった・・・。

これはかなり大雑把に簡略化した例ですが、上記のような経過をライフチャートに落とし込むと以下のようになります↓

縦軸が気分(マイナスがうつ、プラスが躁を示す)、横軸が年齢をあらわしています。
気分はマイナス100から+100まであります。この数値は、患者が当時を思い出して主観的に評定したものです。

このライフチャートに、詳しい出来事や、どのような対処行動をしたのか、服薬をしたのか、などの情報も書き加えていくと、自分の人生を概観し、今後の治療に活かすためのツールが完成します。

ライフチャートを専門家と共に作成する意味

上述の説明を読んだだけでも、誰でも簡単にライフチャートを作成することができます。
しかし、出来る限りこれを専門的な知識を持つカウンセラーと共に作成することをおすすめします。

その理由は、
特に躁状態の時においては、自分の状態を客観的に把握することが難しいためです。

例えば、
車を運転している本人にとっては「ゆっくりと走っているつもり」であっても、客観的なスピードは150キロのスピードが出ているかもしれません。これは極端な例ですが、もしこのようなことがあれば、かなり危険であると分かって頂けると思います。

他の例では、
全く疲れていないし、自分としては「平気」で、何日も連続で徹夜をして好きなことをしている人がいるとします。本人にとっては、とても楽しく、「むしろ元気である」「これが自分の本調子であり、普通のパフォーマンスである」と感じていることがあります。
しかし、その後の反動でかなり深刻な抑うつ状態に陥ったり(全く動けず、寝込んでしまう)、周囲の人から明らかに様子がおかしいと思われていたりすることがあります。

つまり、自分の主観的な状況把握が、客観的なそれと乖離しやすいため、
数値化された気分が妥当でないことが多いのです。

やはり、専門家と共に細かい当時の状況を共有しながら、「躁的状態」「躁でもうつでもない通常の状態」「うつ的状態」の基準を作り、その上でライフチャートを作成することが望ましいと考えられます。
そう言った意味でも、是非一度カウンセリングにてご相談頂きたいと思います。

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外部リンク

以下のサイトにも、ライフチャートの書き方について説明があります。参考にしてみてください。

HP:『日本うつ病学会』 双極性障害委員会

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